杉江松恋不善閑居 まだやっているんだ、と言われたい

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某月某日

夜はアートスペース兜座で立川寸志さんの落語会なので、ぎりぎりまで仕事をしてから行こうと、嘘、正直に言うとぎりぎりまで仕事をしてから新橋古本まつりに寄ってから行こうと、がしがしがんばる。

さて、そろそろ出かけようか、という頃合いになって、来週一緒に打ち合わせに行くことになっている某さんから、完成原稿が届いた。正確に言えば、第三稿である。これは見過ごしにできないので、体裁を整えて打ち合わせ先の編集者に送り、自分用にもUSBメモリに保存する。プリンタが不調なので、どこかで印刷する算段だ。

結局新橋は諦め、余裕を持ってアートスペース兜座へ向かった。立川寸志さんが近い未来の真打昇進を見据えてトリをとれる噺を50本積み上げる試みだ。今回は春から初夏にかけての噺ということで「愛宕山」と「百川」である。余裕を持って到着したはずなのに、まごまごしていて準備をしている間にお客さんが来てしまった。会場のTさんにも手伝ってもらってなんとか間に合わせる。予約もあったが当日券が伸びていい感じの入りに。椅子の並びを変えてみたのだが、ご覧になった方はどうだったろうか。

終演後は近所の居酒屋で寸志さんと軽く打ち上げ。いつも行っている店が、早仕舞いしていて入れなかった。いろいろ密談をして健全な時間に帰る。

原稿は送れなかったが、自分のための売り込みを一つしたので勤務評定は1.0。別の売り込みをしてもいいか、という打診をしたら、話を聞いてもいいという返事だったので、こっちはまとまればまた加点できる。また、一点他人の仕事売り込みをしていたのが、打ち合わせの日程も決まったのでこれも加点で2.0、合計で3.0ということになった。点数は増えてめでたいが、お金を稼いでないのは痛い。がんばる。

寸志の会から帰る際にとある芸人さんがネットでやっている、はずのものがまったく動いていないのを見てしまい、ちょっと残念に感じた。私も、これをやる、と言っておいて最初の花火だけ、ということをさんざんやらかしてきたので他人のことは言えないのだけど、やると口外したからは続けた方がいいと思う。最低2年、というか2シーズン。1周りだと、やっただけ、手を出しただけという印象しか残らない。2シーズンやって初めて、ああ、この世界でやる覚悟を持っているんだな、と認めてもらえるのではないか。成果が上がらないから投げ出して次に行く、というのも一つの判断だが、そうならないようによく考えた上で始めて、少なくとも2年は続けたほうがいいと思う。もう辞めるの、と言われるより、まだやってるんだ、と言われたいのである。

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