杉江松恋不善閑居 『ゲームセンターあらし』の落語・講談・浪曲化が聴きたい

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某月某日

(承前)

雨の取材から帰宅して夕刻、作業をしているうちにふと思いついたことがある。

すがやみつる先生にご許可をいただけたら『ゲームセンターあらし』を落語・講談・浪曲化できないものだろうか。その縛りで演芸会を開けたら、世代の人にはもちろん刺さるものになるし、なんだろう、ということで注目してくれるファンも出てくるのではあるまいか。

『ゲームセンターあらし』は言うまでもなく小学館『コロコロコミック』の初期看板になった作品で、主人公が熱中するテレビゲームを軸にした物語運びは少年誌のホビー漫画に強い影響を与えている。祖型と言っていいだろう。物語の基本は強敵との対戦で熱く盛り上がるので、あそこを例えば講談の修羅場読みで聴きたいのである。もしくは、炎のコマなんて現実には絶対無理な技を、節と三味線の力で再現してもらいたいのである。早節でどうすか。

落語だと新作ということになると思う。ちょっと思いついたのは「大人になったゲームセンターあらし」で、結婚して妻子のあるあらしというのはどうか。妻はゲームが好きではなく、こどもにも一日一時間制をきつく命じているのだが、なかなか守ってくれない。ついにある日キレて、こどもにとっては大事な大事な宝物であるゲーム機を折ってしまう。泣くこどもと怒る妻の板挟みになって苦悩する中年あらし、というような新作をぜひ聴いてみたい。

あらし、どうだろうか。ぜひどなたか挑戦してもらないものだろうか。

そんなことをSNSに書いたら、作者のすがやみつるさんご本人から直接反応をいただいた。

やはり講談は神田桜子さんか。すでに思い立っておられたとはさすがである。そうなると桜子さんと組んで会も開催されているヲタク落語の春風亭吉好さんの名前も挙がってくるだろう。が、もし他の落語家で我こそは、という方がいたら挑戦してもらいたい。浪曲でそこまで『ゲームセンターあらし』好きという方は知らないのだが、これもぜひ。

というわけで『ゲームセンターあらし』寄席、我こそは、という演者の立候補をお待ちしております。全員でインベーダーキャップをかぶっての入場式とか見てみたい。

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