杉江松恋不善閑居 三門博の墓前に詣でること(デッドラインまであと59日)

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某月某日(デッドラインまであと59日)

来週までの〆切:レギュラー月刊×1、レギュラー隔週×2、レギュラー週刊×2、イレギュラー×1、文庫解説×1。

来週の予定:演芸会主催×7、演芸会出演×3。

動画収録予定:今月はあと4本。

書き下ろし:ProjectMT、ProjectTK、ProjectTS。

基本的には在宅して書き下ろしに備えるつもりだが、やっておかなければならないことがある。この日記を更新した後で外出し、恵比寿駅へ。湘南新宿ラインに載って小山駅まで。そこから水戸線に乗り換えて、終点友部の三つ前、稲田駅まで行った。茨城県笠間市で、花崗岩の名産地として有名である。

現役を引退した浪曲師・三門博はこの地に移住し、終の住処を設けた。墓所も自宅近くの西念寺にある。23日に弟子・三門柳の独演会を開催するにあたり、どうしても墓前にその報告をしなければならないと思っていたのだ。どんなに仕事が忙しくても、これはないがしろにしてはいけないことだ。伝統芸能と交わるからには、先人に対する畏怖の念を持っていなければならないと私は思う。

歩いてまずは三門博旧宅へ。まだ表札に三門博/鈴木重太郎と残っている。鈴木重太郎は博の本名で、曲師の鈴木りゅうと養子縁組をしてその姓になった。そこからさらに西に1kmほど歩いたところに西念寺がある。墓所の位置がわからず、お寺の方に教えていただいた。墓には「遠くちらちら灯りが見える」という代表作「唄入り観音経」の出だしを彫った碑が立てられていた。お参りし、会の成功を祈願する。

稲田駅まで戻り、水戸線を終点の友部まで行く。ここから常磐線で都内に戻れるのだが、途中の土浦で下車し、つちうら古書倶楽部へ。復刻版でも高値がついている田川水泡『のらくろ武勇伝』『のらくろ喫茶店』などが格安で置いてあったので購入する。状態はあまりよくないが、読めればいいのだ。

都内まで戻ったところで18時を少し回ったくらい。本当は神保町でかるた亭の浪曲会に行くつもりだったのだが、開演時間を間違えて覚えていてもう遅刻だということがわかった。仕方がないので帰宅する。頑張って仕事をするつもりだったが、さすがに茨城行きの疲れが出たものか身が入らない。やむをえず近所のTへ。居酒屋だが豚汁がいちばん上手いという安心できる店だ。明日から頑張る、と言いながらホッピー。

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