大阪・奈良行のおまけ。
関西からの帰りに、静岡駅で新幹線を降りた。
このことは最初から決めていた。静岡市狐ヶ崎のふしぎな古本屋はてなやが、翌月で店舗を閉めることを予告していたからだった。
はてなやは静岡鉄道狐ヶ崎駅を降り、しばらく歩いた先にある。駅には、ちゃっきり節の由来について書かれた掲示がある。新民謡として有名だが、北原白秋作詞・町田嘉章作曲のこの歌は、狐ヶ崎遊園地、後の狐ヶ崎ヤングランドのコマーシャルソングとして作られたものである。
駅からは陸橋を渡っていく。この陸橋は橋梁の下に用水路を流しているという珍しい構造になっている。その流れの横を通りながら店に向かっていく。景色にもだいぶ変化があることに気づいた。最初に来たころにあった屋外の汲み取り便所は姿を消している。用水路の横に、建売住宅が並ぶ一帯があった。おそらく元の持ち主が土地を手放したものだろう。これだけ時間が経っていれば、懐かしい店がまた一つなくなるのも仕方ない。そんなことを思いながら歩いていった。
はてなやの店構えは以前とまったく変わっていなかった。郊外の景色にいきなり現れる特異点、それがはてなやだ。店内は、別れを惜しむ人でいっぱい、ということもなくていつも通りの過ごしやすい雰囲気だった。向かって右の壁際が映画ポスターや古いおもちゃなどのレトロゾーンで、その向いがコミックの均一棚。その裏がコミックの通りで、さらに左はサブカルチャーと雑誌類、左側にはレトロ寄りの分野とスカムカルチャーや性風俗なども含むディープゾーン、プロレスの本なども多く、田鶴浜弘本が当たり前のように置いてある。その奥は写真集エリアで、さらに奥にはアダルトゾーンがある。
向かって正面が帳場で、向かって左には特に効果なものを集めたショーウィンドウがあった。今だから書くが、事件を起こす前の宮﨑勤直筆ハガキがあり、どういうルートで仕入れたのだろう、と不思議に思ったものである。
レトロ文化ゾーンでマンハントを数冊発見。なるほど、この雑誌たちは私に連れ帰ってもらいたいのだな、と思い、ダブリかどうかを確認せずに買った。マンハントと共に東京へ帰る。
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