2025年10月、所用があって山形に行った。
用事があるのは山形市なのだが、手前の米沢市には古本屋があるので当然下車する。駅から東に向かってひたすら歩いていくと雑居ビルの一階にあるのが禅林堂である。古本の他骨董や雑貨などもあるらしく関心があったのだが、定休日でもないのに開いていなかった。貼り紙を見るに、どうやらイベント出店のための臨時休業らしい。これは仕方ないので、諦めてさらに東に進んだ。
歩いて歩いて歩いて歩いたところに、羽陽書房がある。二階にかかった古書の看板が渋い。
GoogleMapの写真ではごく普通の店構えに見えるのだが、近寄ってみるとその個性がわかる。ごく普通の二間間口ぐらいの店なのだが、シャッターが閉まる通りに面した壁から引っ込んだところにガラス戸がある。そこまでの間に、本がうず高く積まれているのである。売り物なのか、未整理なのかはわからない。とりあえず手がつけられる雰囲気ではないので、ここは諦めることにして中に入った。
入れば右側が帳場で、奧に向かって書棚に仕切られた通路が複数本伸びている。郷土史関連がまとまった区域がある、と思ったらその横は文学系、地元出身の作家なのかと思えばそうではない、さらに文庫の棚がその隣にあって、というようにとらえどころのない棚の配置である。棚の前にはだいたい、本の塔がある。棚とは関係ないものが置いてあることもあって、いちいち見ないと内容は把握できないのである。
おそらくは意図したものではなく、自然発生的にそうなったのだろう。整然と並べられた棚も嬉しいが、こういう風に雑然とした店内というのも発掘しがいがあって楽しい。並んでいるのも、新古書のようなどこにでもあるような本ではなく、山形ならではの郷土資料のコロニーがあったり、珍しい画集があったりと見ていて飽きることがない。ちょっと見るつもりが、いつの間にか時間が経過していた。その間にも、今日は何があるかと思ってきてみた、などと言いながら入ってくるおじさんが跡を絶たない。覗きにくるのを日課にしている地元客が多いのだろう。十分に堪能させていただき、釣り関連の本を一冊買って外に出た。さて、戻らなければ。
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