第十七回東方紅楼夢新刊 『博麗霊夢、お耳を拝借』

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 11月28日にインテックス大阪で開催される第17回東方紅楼夢に新刊を出します。紅楼夢への参加は2019年にもしていたのですが、このときは新刊が間に合わなくて既刊のみを持っていきました。初の紅楼夢新刊です。浪速のみなさま、どうぞよろしく。その他の既刊もよかったらお手にとってみてください。

楽園の素敵な巫女の、のほほんとした日常とちょっとした異変解決を描く〈博麗霊夢の日々〉シリーズ第十六弾です。すべて読切なのでどこから手にとっていただいても大丈夫なのですが、『博麗霊夢、お帰りなさい』『博麗霊夢、お元気ですか』と本作は、幻想郷に〈ネルナ〉という奇病が流行ったあと、という共通項があってゆるくですが連動しています。しかし、この三つもどこから読んでいただいても問題ありません。

今回のお話は、〈ネルナ〉鎮静後に博麗神社で開かれた祭の場面から始まります。永遠亭から薬売りとしてやってきた鈴仙・優曇華院・イナバは、見慣れない老人に気づきます。どうやら彼は琵琶を弾くらしい。それに気を取られている間に舞台では付喪神の九十九弁々・八橋の姉妹による演奏が始まって、という具合に話は進行していきます。

一つ前の『博麗霊夢、お元気ですか?』もそうだったのですが、これも全体の構成について説明しにくい話になっています。とりあえず言えることは、九十九弁々と八橋が個々に面倒な事態に巻き込まれるということ、不憫な鈴仙が何やらそれの側杖を食うらしいということ、博麗霊夢は例によって無愛想でいちいち自分の行動を説明したりはしないということです。登場人物でおわかりかと思いますが、音楽が一つのテーマになっています。それも日本固有の音楽。この取材をしている間に肥後琵琶の存在を知り、興味を持ったことがちょっとだけ話に影響しています。もちろん肥後琵琶が何かを知らなくてもまったく問題はありませんが。琵琶最高。

説明しにくい構成と書きました。実はこの話、『お帰りなさい』『お元気ですか』よりも先に思いついていて、表紙画も先に発注していたのでした。思いついたのはいいもののなかなか書けず、とりあえず後回しにしてしまいました。『お元気ですか』で徳を積んでレベルが上がったので、これなら書けるだろう、と思って試してみたら書けました。徳を積むのは大事ですね。

また、秋季例大祭と紅楼夢の両方に出るということで、あることを試しています。一つの思いつきを別の形でやってみるというか。これも説明しにくいのですが、『お元気ですか』のテーマとはまったく別の何かを本作でもうやっているので、よかったら併読してみてください。表紙画はいつも通り〈赤色バニラ〉くまさん、編集は〈日々徒然。〉古翠さんです。

委託はとらのあな様とメロンブックス様。11月26日現在、すでに予約受付が始まっています。

とらのあな様→https://ecs.toranoana.jp/tora/ec/item/040030946651/

メロンブックス様→https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1152000

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