杉江松恋不善閑居 東十条「あざぶ本舗」

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×5。イレギュラー原稿×2(エッセイ、評論)、ProjectTY書き下ろし、ProjectTH書き下ろし。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

書きあぐねていた某文庫の解説原稿がようやく仕上がる。実際にはもう二日前ぐらいにできていたのだが、内容のバランスが気にくわなくてひねくりまわしていた。私は一気呵成に書いてしまえるほうだが、こういう風に勢いではできない原稿だと、いったんつまずくと大変なことになる。勘定してみたら、博麗神社例大祭の原稿もそろそろなんとかしないといけない段階に来ていた。この日から秒読みを始める。

午後になって外出。赤羽で午後二時に急遽取材が入った。時間が少しだけあったので、早めに家を出たのだが、運悪く東海道線で人身事故があったとかで湘南新宿ラインが遅れる。赤羽駅に到着した後、速やかに京浜東北線に乗り換え、東京駅方面に一駅上って東十条駅で下りる。北口に出て、らあめん花月の角を曲がって商店街をひたすらまっすぐ、八分ほど歩いたところに、あざぶ本舗がある。十条駅には比較的縁があるのだが、このお店とはずいぶんご無沙汰していた。十年以上は来ていないと思う。

店頭は右にワゴン形式の文庫棚、左に単行本の棚がある。ここは均一棚ではなくてそれなりに値段がつけられている。店に入ると、奥に向かって緩やかな登りの勾配があり、中央棚が仕切った構造になっている。手前右の壁際に均一棚、児童書がその横にあって奥へ向かって文学や実用書、左の壁際には単行本、DVDなどがあって、CD棚なども交えながら奥に続いていく。中央の棚は右が文庫棚、左が単行本だ。こう書くと整然とした印象を受けると思うが、途中には縛られた在庫の束や戦前の本のかたまりなどがあり、なかなか起伏に富んでいる。じっくり腰を据えて見ている余裕がないのが残念だが、それはまた次回の機会に譲りたい。店頭棚から田仲のよ『海女たちの四季』(新宿書房)を取ってお勘定、急いで店を出た。東十条駅に戻って京浜東北線に乗り、赤羽駅へ。編集者との待ち合わせ時刻ちょうどに間に合った。

取材が終了して赤羽駅に戻ってきたところで、平岩書店と紅谷書店を定点観測し、帰途に就く。

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