杉江松恋不善閑居 京山幸枝若独演会

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×4。イレギュラー原稿×3(エッセイ、評論、インタビュー)、ProjectTY書き下ろし。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

書き下ろし原稿をやろうと思っていたら、編集者からのメールでインタビュー構成の〆切が過ぎていたことに気づく。急いでとりかかったが時間がかかる。夕方までがんばって木馬亭へ。京山幸枝若独演会である。幸枝若なら仕方ないじゃんか。

夕立勘五郎眉間割り 京山幸太・一風亭初月

会津の小鉄飯安殺し 京山幸枝若・一風亭初月

谷風小田原相撲 京山幸枝若・一風亭初月

外題を見れば詳しい人ならわかるとおり、東家一太郎の持ちネタと一・三席目が重なっている。珍しい偶然である。展開も切れ場が違うだけで、台本そのものはほぼ同じだった。東西どっちが先なんだろうか。幸枝若の節は、なんでもないことをすっと唄っただけで気持ちが高揚するような感じがある。こういう風にしてくれる演者は東西合わせてもごく少ない。決めのポイントで独自の節が出てくるという感じではなくて、全篇が幸枝若のメロディーなのだ。浪曲ファンではないお客が幸枝若の会に多い所以だろう。講談や落語など他の語り芸を合わせても稀有な存在になりつつある。今の幸枝若を聴かないと本当に後悔する。次回は11月3日にまた東都お目見え。その前に私は関西に聴きに行ってしまうかも。

間もなく奈々福さんのガチンコ浪曲講座が始まるので、受講予定者同士で戦々恐々とした気持ちを話し合う。課題は何になるのだろうか。

終演後はおとなしく帰宅。街には酔客が多い。

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