杉江松恋 一覧

杉江松恋不善閑居 「加藤シゲアキさんのこと」20170721

みなさんは人間の声にぶん殴られたことはあるだろうか。私はある。 2014年3月23日のことである。 その日は加藤シゲアキさんが3作目の著書である『Burn.―バーン―』の刊行記念イベントに出演されるということで、私はその対談相手として呼ばれていた。加藤さんの小説はデビュー作である『ピンクとグレー』をかなり早期の段階で読んで、書評もしていた。そのご...

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日野原重明先生のこと (杉江松恋不善閑居)

日野原重明先生には一度だけお会いしたことがある。 私がPTA会長の職にあったとき、小学校に講演でいらしてくださったのだ。伝手があって学校からお願いすることができた。有名人だから講演料もたいへんなのでは、と下衆な心配をしてしまったが、先生は子供たちに自分の話をすることをその当時の大事なテーマだとお考えになっていて、雀の涙ほどのお車代で来てくださった。あの...

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「翻訳メ~ン」#5 17年3月のオススメ翻訳ミステリーはこれでした!

「翻訳メ~ン」#5 17年3月のオススメ翻訳ミステリーはこれでした!

「bookaholic認定ミステリーベストテン2016」海外編の選出でもコンビを組んだ川出正樹さんと、杉江松恋がその月に出た翻訳小説・ミステリーの中からお気に入りの3冊を持ち寄って話すトークコーナー。この回の後唐突に思いついたのでコーナー名を次回より「翻訳メ~ン」といたします。翻訳マン1号・川出正樹と翻訳マン2号・杉江松恋が毎月痺れる情報をお届けしますよ。 ...

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「喋る本棚」#6 『坂の途中の家』著者 角田光代さんにお聞きしました。

「喋る本棚」#6 『坂の途中の家』著者 角田光代さんにお聞きしました。

誰が何と言おうと2016年の最も読むべきミステリーは角田光代『坂の途中の家』です。 「bookaholic認定ミステリーベストテン2016」国内編では私が大推薦したものの、惜しくも2位に終わってしまいました(もちろん、真藤順丈『夜の淵をひと廻り』もたいへんいいミステリーです)。多数決だから仕方ない。しかし溜飲の下がることに、第70回日本推理作家協会賞長...

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杉江松恋不善閑居 ユースホステル旅のこと~イッシー音頭購入顚末記 20170331

杉江松恋不善閑居 ユースホステル旅のこと~イッシー音頭購入顚末記 20170331

私がユースホステルを使った旅行をしなくなったのは、思春期になって疑似家族的な雰囲気がうるさくなったからだ。スタンプで見る限りでは、一九八一年八月二十二日に高千穂ユースホステルに泊まった後しばらく利用していないので、もしかするとここで途絶えてしまったのかもしれない。というか一九八一年というと私は十三歳である。それまでがユース旅行のピークだったということ...

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杉江松恋不善閑居 ユースホステル旅のこと~ペアレントさん 20170331

杉江松恋不善閑居 ユースホステル旅のこと~ペアレントさん 20170331

私が子供のころ、ユースホステルのブームがあった。文字通り若人の宿として貧乏旅行の拠点となっていた、というだけでは繁盛した理由の一部しか伝えられないと思う。たしかに一泊千五百円程度、素泊まりにすればもっと安いところもあったと記憶する。ユースホステルの営業形態はいろいろあり、山小屋や寺の宿坊と兼業のようなところもあったと記憶している。そうではない一般的な...

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杉江松恋新刊『ある日うっかりPTA』(KADOKAWA)4月28日発売です

杉江松恋新刊『ある日うっかりPTA』(KADOKAWA)4月28日発売です

私、杉江松恋は2007年4月から2011年3月まで都内某小学校でPTA会長をしておりました。そのときのことを書いた『ある日うっかりPTA』が発売になります。もともとは北尾トロさんが発行していた雑誌「レポ」に連載していたもので、単行本化に際し大幅加筆しました。PTAに関心がある人、ない人、かつてPTAにかかわったことがある人、これからもしかすると参加す...

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世界がすべてヤフー化される前に語っておきたいこと 斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク(下)

世界がすべてヤフー化される前に語っておきたいこと 斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク(下)

2016年末に新宿5丁目のトークイベント会場HIGH VOLTAGE CAFEで行われた斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク・レポート。最終回は、脈々と受け継がれる「プロレスの所作」の関心から、プロレスという文化を語るため、歴史を無機質なものにさせないために必要なある大事なこととは何かという話に広がっていきます。斎藤さんのプロレスに寄せる...

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フミ・サイトーの原点はあのコラムニストだった 斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク(中)

フミ・サイトーの原点はあのコラムニストだった 斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク(中)

2016年末に新宿5丁目のトークイベント会場HIGH VOLTAGE CAFEで行われた斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク・レポート。第二回は「プロレスをいかに見るか。いかに語るか」という話題から、斎藤氏のコラムニストとしての源流を遡るような方向に進んでいきます。あ、なるほど、という杉江の驚きをぜひ共有していただければと思います...

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活字プロレスの歴史にちゃんと向き合おう 斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク(上)

活字プロレスの歴史にちゃんと向き合おう 斎藤文彦『昭和プロレス正史(上)』刊行記念トーク(上)

2016年にも多くのプロレス関連本が刊行された。その中で杉江が最も感銘を受けたのが、斎藤文彦著『昭和プロレス正史(上)』(イースト・プレス)だったのである。プロレス記者の草分けである田鶴浜弘、日刊スポーツを主戦場として原稿を量産した鈴木庄一、東京スポーツ記者として現在のプロレス〈神話〉成立に一役買った櫻井康雄らを中心に、いかにプロレスが「語ら...

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