杉江松恋不善閑居 わたしはなぜメールマガジンを発行したか

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某月某日

今年に入ってから思うところがあって、メールマガジンを始めた。

前段があって、過去に書きかけていた文章などを有料のnoteに上げてみようか、などと考えていたところにメールマガジンを運営しているまぐまぐから連絡があり、やってみませんか、と勧められたのである。

ライターとしての基本姿勢は、一人でも求められているところがあったらやる、だ。もしかするとあれは単なる営業に過ぎなかったのかもしれない。でも、私に声をかけるだけの価値があると見なしてくれたのだと思うことにした。意気に感じるというやつである。

内容は任せてくれた。いろいろ考えたのだが、やはり書評家なので書評を売り物にすべきだと決めた。海外にはブッククラブというものがあり、定期的に読むべきお薦め本を送ってくる、ということをだいぶ前に知った。現在でもそういうものが機能しているのかどうかはちょっとわからない。日本でもお金を預かって選書をしては顧客に送る書店というのがあったはずだ。それに近いことをやってみようと思った。

なのでメールマガジンのタイトルは〈松恋’Sブッククラブ〉なのである。毎週1冊、私が選んだ本の書評をお届けする。選ぶ対象は可能な限り近刊がいいと思ったので、1月以内ぐらいに出たものということにした。純粋な新刊、つまりオリジナルの単行本や文庫だけではなく、復刊や文庫化作品も対象に含めることにした。私は書評家だから新刊に気を配る必要があるが、一般の読者はおもしろければ別にいいわけである。今は文庫の価格も単行本に接近しているし、区別しなくても登録者には損をさせないと思った。

値付けはちょっと迷った。税込みで毎週110円、月440円というのはどうなのだろう。高くはないと思うのだが、安い、と言い切る自信もない。おはなしではなくて、書評だからなあ。でも、同じ書評でも、読んで楽しいものにする自信はある。110円頂戴しよう、と値段を決めた。

そんなわけでぼちぼち始めたのである。登録人数はごくゆっくりで、初めてのことだから遅いのかこれが普通なのかはよくわからない。最初の1月を無料にしておいたら、2月が終わったところでごっそりいなくなって、ちょっとがっかりした。ああ、お試し期間に心を掴めなかったか。それも不徳の致すところである。精進いたします。

今のところ金曜日午前配信でやっていく。余裕ができてきたら号外も出したいのだが、まだそこまで慣れていない。がんばりますので、よかったらぜひ登録ください。

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