日曜日。
所用があって正午に下北沢にいた。会食の後で三軒茶屋まで歩く。ちょっとだけほん吉をひやかし、閉店したLADY JANE前を通っててくてくと、ただただ南下するだけの単純な道である。途中で道の東側に見えてくるのが株式会社倉田プロモーション、創武館の建物だ。昭和生まれの活劇ファンにはおなじみの、和製ドラゴンこと倉田保昭の道場である。以前はここで姿をお見掛けすることも多かったのだが、最近はどうなのだろうか。
さらに進むと住所が太子堂になってくる。古本と雑貨のサムタイムを少し覗き、さらに南下。茶沢通りが246とぶつかる三軒茶屋駅前の三叉路までやってきた。
ここで少し気になることがあり、三宿交差点までさらに歩く。この南側にある江口書店に、しばらく前から一度も入れたことがないのだ。老齢のご主人一人でやっておられる店だけに、気になる。
今日もどうせ入れないのだろう、と半ば諦めながら来てみると、やはりシャッターが下りている。だが、いや待て。下りているけど一部だけ空いている。そこからガラス戸に何か貼り紙をしてあるののが見えているではないか。
まさかまさかと思いながら駆け寄ってみれば、営業中の文字が。なんと、開いている。雑本・雑書の江口書店がやっている。
早速中に入れば、この数年のご無沙汰が嘘であったかのように中の空間は変わっていない。棚の本にいちいち見覚えがある。実は歌舞伎など古典芸能に強い店で、役者の芸談本在庫も多いのである。演劇関連書も多い。それに絡んでか社会科学書も。ざっと見て、ヴィッキイ・バウム『赤い針峰』(朋文堂)の裸本があるのを手に取る。ダブりなのだが、今日の記念に買っておこう。次また来るときもお元気で、と願いながら会計をしていただき、帰途についた。営業日は以下の写真通り。よかったらみなさんも来てみてください。