杉江松恋不善閑居 小栗判官餓鬼阿弥車(デッドラインまであと53日)

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

某月某日(デッドラインまであと53日)

来週までの〆切:レギュラー隔週×2、レギュラー週刊×3、イレギュラー×2、文庫解説×1。

来週の予定:演芸会主催×1、演芸会出演×。

動画収録予定:今月はあと3本。

書き下ろし:ProjectMT、ProjectTK、ProjectTS。

午前10時から香月祥宏さんと「これって、SF?」収録。その後、池袋コミュニティカレッジで連絡がうまくいかなかった件で個別対応をする。あとは夕方ぎりぎりまで書き下ろしの作業を。予定通りは進まず、進捗率25%。

午後4時半に家を出てアートスペース兜座へ。本日は熊本県より後藤昭子・岩下小太郎のお二人を招き、ゲストに天中軒すみれ・沢村道世の浪曲コンビを頼んでの「肥後琵琶って、なんだろう?」の会である。慌ただしく準備を進める。あまりに急いで出てきたので、作っておいた予約者名簿を忘れてきてしまった。

演目は以下のとおり。

小栗判官 餓鬼阿弥車 天中軒すみれ・沢村道世

肥後琵琶トーク 後藤昭子・岩下小太郎・杉江松恋

仲入り

ワタマシ 後藤昭子・岩下小太郎

肥後琵琶は盲僧琵琶の流れを汲む芸能で、門付や、招かれての荒神祓いなどで生計を立てる芸人が熊本から佐賀・長崎の各地に存在していた。担い手は視覚障害者で、妙音という講を結成して活動していた。現在は本来の意味の肥後琵琶語りはおらず、故・山鹿良之の流れを汲む晴眼の演奏者がわずかに三名活動をしているだけである。中世の説教節にもつながる演奏は味わい深く、一度は聴いておいて損がない。

「ワタマシ」というのは、新築のときに演奏されるもので、多くの神仏を読み込んだ祝詞のような内容になっている。これを小太郎・昭子のリレーで演じていただいた。東京ではまず聴ける機会がないので、私自身が興味津々である。

「小栗判官 餓鬼阿弥車」は説教節に材を取った演目で、この日がネタおろし。私がいったん台本を書き、それを演者の意見を入れて直した上で、決定稿をさらにすみれさんに修正いただいた。その修正で登場人物の心情などがよく出たと思う。ほぼ台本通りの内容で、40分くらいある大作となったが、すみれ・道世コンビが見事に浪曲として仕上げてくれた。自分で書いておきながら聴き惚れてしまったぐらい。初演なので、ここからどう完成度を上げていってくれるか楽しみである。

終演後は近くでささやかに打ち上げ。深酒、ダメ、ゼッタイ。

本日は後藤・岩下師弟も出演し、肥後・薩摩・筑前の三つの琵琶が一堂に会する「妙音」の会が木馬亭で開催される。私も対談コーナーで登壇する予定。平日の昼間ですが、よかったらお運びください。

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存