杉江 松恋 一覧

電撃座通信 立川談修「談修アンプラグド #2」20170707

2017年の7月7日は雨の降らない七夕だった。 この日に開催されたのが、落語立川流真打・立川談修さんの「談修アンプラグド ♯2」である。題名からおわかりの通り、電子機器の拡声機能を使わないことを重視する落語会である。落語は筋立てだけを楽しむものではなくて、噺に滲み出てくる演者の人柄が大事な要素になる。それをよく理解してくださっているお客様がこの...

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電撃座通信 桂夏丸「夏丸ヒットパレード #4」20170709

電撃座通信 桂夏丸「夏丸ヒットパレード #4」20170709

祝・桂夏丸さん来春真打昇進決定。 落語芸術協会の二ツ目では香盤が最高になっていたので時間の問題かと思っていたが、先日の理事会で正式決定したとのことである。ご本人にうかがったところ、すでに披露目のパーティー会場も予約し、準備を開始されたとのことだった。今年昇進を果たした昔昔亭桃之助さんに何をすればいいかお聞きしたところ、やらなければいけないこと、...

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電撃座通信 おさん&たこ平「ゴールデンバッテリー」20170628

電撃座通信 おさん&たこ平「ゴールデンバッテリー」20170628

柳家花緑門下の一番弟子・台所おさんさんで最初に聴いたネタは「蒟蒻問答」だったと思う。そのころは二ツ目だったので「台所鬼〆」だった。東京かわら版でぱっと名前を見ても、この人がどこの門下なのか、そもそも落語家なのかどうかもわからない名前である。かわら版に載っているのだから落語家か講談師か浪曲師のはずなのだが、手がかりがない。ネットで検索して花緑一門であることを知...

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電撃座通信 「寸志滑稽噺百席 其の三」20170630

電撃座通信 「寸志滑稽噺百席 其の三」20170630

2016年に開催された「若い(入門10年未満)おじさん(33歳以上で入門)の会」を通して思っていたことがあった。落語立川流の立川寸志さんは現役二ツ目では上から二番目というこの会の象徴といってもいい存在なのだが、今のうちに滑稽噺のレパートリーを増やしておけば真打になったころにはすごい武器になるだろうな、ということである。亡くなった十世桂文治の「豆屋」とか五代目...

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電撃座通信 「愛九の研究室」20170701

電撃座通信 「愛九の研究室」20170701

開場は13時30分だったのだけど、演者から「12時に入ります」と連絡をもらっていたので、それは間に合いませんけど、13時には行きます、とメールを返しておいた。 13時、電撃座に入ってみると、楽屋のほうから大きな声で本日の演目について相談している声が。靴を履き替え(電撃座はスリッパを履いて上がる方式なのです)、柱の陰から顔を出した途端に挨拶が飛んできた。...

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杉江の読書 青山文平『春山入り』(新潮文庫)

杉江の読書 青山文平『春山入り』(新潮文庫)

 青山文平『春山入り』を読み終えたところである。ただ不明を恥じるばかりで、改題前の単行本『約定』が出た2014年の時点で読み、書評すべきであった。 本書に収録された「半席」は徒目付として人物評定の仕事に励む片岡直人を主人公とする一篇だ。彼は上司から頼まれ、矢野作左衛門という御家人の死について調査する。その結果、作左衛門の死に関わった人物の動機が炙りださ...

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杉江松恋不善閑居 「俺たちゃ昭和のサムライなのさ(海援隊)」

杉江松恋不善閑居 「俺たちゃ昭和のサムライなのさ(海援隊)」

友人に珍々亭無人君という人物がいる。もちろん本名ではなく、「ちんちんていむじん」と読む。いや本当はジャーナリスト・条野採菊の戯作者としての筆名・山々亭有人をもじったので「ちんちんていなしんど」が正しい読みなのだが、われわれはむじんと読んでいる。らららむじんくん、はサラ金のコマーシャルである。 珍々亭無人と会うことを「サロンをする」と言う。サロンといって...

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bookaholicラジオショー 角田光代さん出演回の映像公開です

bookaholicラジオショー 角田光代さん出演回の映像公開です

杉江松恋認定2016年度最優秀ミステリー長篇であるところの『坂の途中の家』、第70回日本推理作家協会賞は残念ながら逃しましたが、この作品が一推しの「ミステリー」であったという信念は依然として変わりません。もちろん受賞作となった宇佐美まこと『愚者の毒』もたいへん良い作品なのですが(ちなみに杉江が解説を書いております)。 bookaholicラジオ...

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初公開、これが『ある日うっかりPTA』連載の持ち込み企画書だ&レポTVに出ました

初公開、これが『ある日うっかりPTA』連載の持ち込み企画書だ&レポTVに出ました

北尾トロさんが突如ノンフィクション専門誌「レポ」の創刊を宣言されたのは2010年のことだった。第1号が出たころにネット上でトロさんは、「レポ」は連載希望のライターを受け付けるんだということを宣言された。それを見て、よし、それならやってやろうと書いたのが以下に貼り付けた企画書案である。当時は西荻窪にあったトロさんの事務所まで、こ...

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杉江の読書 周防柳『蘇我の娘の古事記』(角川春樹事務所)

杉江の読書 周防柳『蘇我の娘の古事記』(角川春樹事務所)

 物語は乙巳の変に始まる。いわゆる大化の改新である。その事件の結果、中級役人の船恵尺は、誰にも言えない秘密を抱えることになった。彼にはすでに二人の息子がいたが、新たにコダマという娘が家族に加わった。しかし彼女は恵尺の実子ではなく、乳人として蘇我入鹿から引き受けた子供だったのである。この秘密が物語の重要な鍵となる。 周防柳『蘇我の娘の古事記』は天智から天...

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