杉江松恋不善閑居 二月は逃げる、三月は去る

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×2。イレギュラー原稿×3(調整待ち、エッセイ、文庫解説)、ProjectTY書き下ろし。下読み×1。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

一日書き下ろし原稿に没頭して終わる。合間に日本の古本屋を覗いて初めて見る資料をポチリ。いろいろ気になることはあるが、とりあえず目の前の原稿に集中しなければならない。書き下ろしをしていると、途中で何度か不安になる。取材や資料集めの穴が見えてきて、このままでは完成しないのではないか、という気持ちがむくむくと湧き上がったのが昨日。これは魔の瞬間なのだから、と自分を説得しながら原稿を書く。こういうときに不安を感じる箇所は、逆に言えば補強さえすれば本の長所にもなるはずなのだ。そうなのだ。進捗率48.33%。

今週は浅草木馬亭の定席が始まるので、なんとか全部行きたい。途中からでもいいので。浪曲は毎日聴いているのだが、生浪曲濃度がだいぶ低くなってきた。補給しに行かなければ。今週の課題としては同じ本を三回読む必要がある。訳者が違うので、一作を三度読むのだ。書き下ろし以外ではもっともこれが重要。

明日から三月になるので、事務の諸連絡を一気にやってしまうつもり。ウクライナ侵攻もあって春めいた気分からはほど遠いが、暦は人間の気持ちとは別に動く。今銀行口座を見たら、保険や年金などの引き落としが一気にあり、ちょっと笑ってしまった。毎月下旬に集中しているのだが、今月は最終日が月曜日だったので、駆け込みみたいな形ですべて今日落ちたのだ。別に間違ったことをされたわけではないのだけど、今は緊急事態だからもらえるものは全部もらうぞ、と言われたようでせちがらい。そういうことも含めて時間は過ぎていく。二月は逃げる、三月は去る、と会社員時代によく言われたが、では四月はなんなのか。死ぬ、は嫌だから、なんとか凌ぐ四月にしたい。

浪曲は蘇る:玉川福太郎と伝統話芸の栄枯盛衰

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