翻訳ミステリーマストリード補遺(32/100) ギャビン・ライアル『深夜プラス1』

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翻訳ミステリー大賞シンジケートの人気企画「必読!ミステリー塾」が最終コーナーを回ったのを記念して、勧進元である杉江松恋の「ひとこと」をこちらにも再掲する。興味を持っていただけたら、ぜひ「必読!ミステリー塾」の畠山志津佳・加藤篁両氏の読解もお試しあれ。

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『マストリード』編纂時にギャビン・ライアルは外せない作家でした。単純明快な筋立てを心躍る冒険物語へと仕立てる。その膂力の秘密はお二人に語っていただいた通りかと思いますが、ミステリーの魅力がプロットのみに存在するのではなく、その叙述の仕方にも秘訣があるということを如実に示すのがライアルの初期作品だと考えていたからです。その意味で個人的な贔屓は『もっとも危険なゲーム』なのですが、当時本が品切だったので選択の余地はなく『深夜プラス1』に。鈴木恵氏の新訳が読める現在の環境は、ミステリー・ファンにとってはとても幸せなことだと私は考えます。もっと他の作品も復刊、もしくは新訳してくれればいいのにな。単発作品もいいのですが、冒険小説と探偵小説の要素を兼ね備えた『影の護衛』以下のマクシム少佐シリーズも私はお薦めしたいと思います。

『深夜プラス1』を畠山・加藤両氏はこう読んだ。

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