杉江松恋不善閑居 自粛生活20日目「何冊持ってお出かけしますか」

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ああ、どこかに逃避したい。逃避といえば押井守の「ケルベロス」。「ケルベロス」といえば海老。

4月27日。

切羽詰まった原稿があるのだが、本に関するアンケート結果がまた上がってきたので。今回のお題は「出かけるときに何冊本を持っていくか」。総回答数はまた増えて779だった。みなさん、この問題では苦労しているのかな。

「持っていくのはどんな場合も1冊だけにしている」26.3%

「読みかけの場合は予備の1冊を持っていく」39.7%

「常に複数冊を持って家を出る」18.4%

「電子書籍端末利用しているため紙の本は持参しない」15.7%

最初に自分の回答を書いてしまうと、私は「常に複数冊を持って家を出る」である。ちょっとそのへんに行くとかではなくて、何時間か家を空ける場合は必ず。これは、私の読書が休職方式といって、主食、主菜、副菜の3つを順番に食べる、じゃなくて読む方式になっているからである。3冊ないと本が読みにくいのだ。旅行をするときは、この3点に加え、寝る前やお酒を飲むときに読む本を持っていくので、1泊2二日でも最低4冊は持参することになる。儀式みたいなものである。

で、質問の主旨はもうお分かりかと思うが、何冊あると自分は困らないか、ということである。一冊だけあればいい、もしそれを出先で読み切ってしまったら、あとは遠くの山とか恋人の顏を見て過ごすさ、あっはっは、という人は何の心配もなく1冊だけの回答をすればいいわけだ。そうはできず、やっぱり予備がなあ、という人が予備を持って出ることになる。

多かったのが、持っていく本の状態による、というお答えだった。よしだ まさしさん「途中で読み終えそうなときにはもう一冊持って出ます」、祭会場の、売残りフラグしかないたこやき屋に配置されてしまった…さん「読みかけの本と、次に読む予定の1冊。分量の少ない本の場合は、もう1冊、と言った感じです」、バスコさん「基本一冊だけど薄過ぎる場合は二冊目を用意しておくのでおおよそ1.5冊って感じかもしれない」、いずれもそのぐらいの準備がないと自分は不安になる、という表明だと受け止めた。出かけるときは忘れずに。

また、その予備の本を電子書籍で賄うというお答えも多かった。BECHA☆さん「普段は重いのはしんどいのでほどほどな厚みの文庫本一冊です。旅行など移動距離が長い場合は、プラス電子書籍を予備にすることも」、warm heartedさん「これは難しい4択ですね!読みかけの時は予備の1冊、を選びましたが、移動距離、時間、荷物量にも寄りますかね。電子書籍を何冊か入れておいて、本の書籍が読み終わってしまった時に読んだりします」他多数。おもしろかったのは逆のお答えがあったことだ。

キラアキラさん「基本はKindle端末ですが、予備で紙の本を一冊か二冊持ち歩きます。紙の本は電源がいらないので安心」

そうそう。電子書籍は電源が要りますからね。

電子書籍で思い出したのだが、投票状況をときどき見ていて気付いたことがある。電子書籍のみで紙の本は持っていかないという答えが、ずっと15%ぐらいだったのである。途中で他の3つは比率が変わったのだが、これだけずっと15%。あれ、もしかするとすごい結果なんじゃ。回答数779では何も言えないけど、もしかするとこれって世の中の比率を結構反映しているんじゃないかしらん。1割5分くらいの人は外出時に紙じゃなくて電子書籍だけを持っていく。これってトリヴィアになりませんか。いや、そうじゃなくて出版界で何か利用できませんか。

それはともかく、何を持っていかれるか、についても多くの方が答えてくださった。なかなか味があるので、以下ご紹介したい。

八月の…鯨さん「旅先には、詩集とか、アフォリズムの類いを1冊だけ。ポケット詩集(童話社)、金子兜太の今日の俳句(光文社)とか。塚本邦雄のけさひらく言葉(文春文庫)はすでにボロボロ」

中野善夫さん「基本的に紙の本一冊(日本語)と電子書籍端末(外国語)ですね。日本語も電子版を読む期間は電子書籍端末だけになりますが、紙の本で外国語を外出時に読むことは滅多にありません」

日下春生(zsphere)さん「行きの電車で読む1冊と、帰りの電車で読む1冊の2冊を携行しています。仕事帰りに読むものは内容が重いと眠くなるので、軽い小説などを。行きの電車で内容重めのものを読むという感じです」

参考になるなあ。

自粛生活20日目。

毎日が休みみたいな生活がずっと続いているのでうっかりしていたが、やはり出版界はゴールデンウィーク進行というやつが来るのだそうである。印刷所の休みに合わせているので、これは来てしまうのである。この業界で何年も飯を食っているくせに、今さらのように慌てて仕事をしている。成長がないとお笑いくだされ。

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