歩くもの 一覧

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年5月・国分寺大古書市と古書まどそら堂・七七舎

(承前) 椎名誠が最初に書いた長篇エッセイ『さらば国分寺書店のオババ』にその名を留める店に、私は足を踏み入れたことがあるだろうか。本の扱いにうるさく、函から出したときにハトロン紙を破こうものなら客を泣かさんばかりに文句を言うであろうオババの姿は、今にして思えばどこにでもいる古書店主のものだが、若き日の椎名誠はそれに我慢ができなかったらしく怨嗟の...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年5月・彩の国所沢古本まつり

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年5月・彩の国所沢古本まつり

古本屋には独特の香りがある。 香りと書いたが、臭いと表現する人もいるだろう。埃に過敏な向きだとアレルギー症状を引き起こすかもしれない。 私はあの匂い、好きだけどな。特に好きなのは、そんなに埃っぽくない、午後になるとサッシを越えて斜めに陽射しが入るようなお店の、土間に置かれた平台付近の匂い。ここで長い時間を過ごしてきたな、と初めて来た店でも...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年5月・椎名町「古書ますく堂」「リサイクルセンター新宿広場」ほか

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年5月・椎名町「古書ますく堂」「リサイクルセンター新宿広場」ほか

五月某日 古本屋に関して疑問に思っていることがあったので、実際に現地に行ってみることにした。 ご存じのとおり先日夏目書房が閉店し、立教大学周辺の古本屋はほぼ絶滅した。東池袋に光芳書店、北池袋に平和堂書店があって、池袋駅を最寄とする店が無くなったわけではないのだが、立教大学を中心に栄えていたかつての古本文化圏が消えてしまったことは間違いない...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年2月シンガポール「永新書局」ほか

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年2月シンガポール「永新書局」ほか

二月某日 シンガポールに友人が滞在していて、こっちに住んでいる間に訪ねてこいと言われていた。そこで今年の二月に行ってきたのである。日程を検討していたら友人から連絡があった。二月は春節があるが、帰省する中国人が多いので人出が多く、入国管理がうるさくなる。その時期は外したらどうか、ということであった。 ふむふむなるほど。ご助言感謝であ...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その11 静岡「安川書店」「ブックスランド馬場町店」「あべの古書店」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その11 静岡「安川書店」「ブックスランド馬場町店」「あべの古書店」

東海道歩きの模様は別に書くとして。 金谷から掛川まで約15kmを踏破し、各駅停車で再び静岡まで戻った。同じホテルに二泊しており、荷物を置きっぱなしにしていたのだ。ちょっと時間が空いたので街に出る。静岡市内の古本屋であといくつか、回らなければいけないところがあるのだ。 ■日曜日は全品20%引き、の硬派古書店 まず足を運んだのは両替町にある安川...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その10 富士「中村書店」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その10 富士「中村書店」

(承前) 熱海にて夢のような出会いがあり、ぽうっとしながら東海道線の下りに乗る。なんだったらもう帰ってしまってもいいぐらいなのだが、この日はまだ用事の続きがあるのだ。静岡に1泊し、ほぼ1年ぶりに東海道歩きに挑戦するのである。夕刻に同行者の妻と待ち合わせしているのだが、それまで時間が空いている。これはまあ、古本屋に行けという天の啓示であろう。いや...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その9 熱海「遊我堂」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その9 熱海「遊我堂」

さて、またしても静岡行である。 いい加減静岡に移住してはどうか、とか、そんなに仕事が暇なのか、とかいった声が聞こえてきそうだが、仕事は暇である。いや、以前に比べれば、それはね。いいことだ。 静岡移住も、これだけ通っているとありえない話ではないのかも、と思えてくる。あまりにも頻繁に通っているので、熱海が山手線の乗り換え駅ぐらいに馴染深くなっ...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その8・焼津「港書店」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その8・焼津「港書店」

(承前) 今度はふしぎな古本屋はてなやを出たあとの話。またもやはてなやであれこれ買い物をしてしまい(ちゃんと100円均一棚を見たら、要るものがたくさんあったのだ)、店を出たら14時をまわってしまっていた。余裕があれば富士までとって返して身延線に乗ろうと思っていたのだが、ちょっと手遅れである。かといってこのまま帰ったのでは不効率もはなはだしい。戻...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月・静岡行その7・南伊東「岩本書店」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月・静岡行その7・南伊東「岩本書店」

(承前) 二日続けてふしぎな古本屋はてなやに行ったわけなのだが、その前にどこに行ったかといえば、南伊東の岩本書店なのだった。伊豆半島は古本屋不毛の地だと勝手に思い込んでいた。たいへん申し訳ないです。岩本書店は地元で長く営業していて、伊豆及び静岡の郷土史関係に強いという。 朝一で自宅を出てまたもや横浜駅に。ここから熱海行に乗る動きは、もはや...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その6・狐ヶ崎「ふしぎな古本屋はてなや」再び

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その6・狐ヶ崎「ふしぎな古本屋はてなや」再び

(承前) 明けて3月14日。本日も日帰りで静岡行きである。 昨日の記事の終わりに「これにて静岡行、ひとまずは終了である」と書いたが全力で撤回する。 というよりも、再び静岡に行かなければならない理由ができたのである。 一昨日の記事で狐ヶ崎のふしぎな古本屋はてなやを訪れたことを書いた。その際、手持ちが不如意であったため、置いて帰っ...

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