街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年9月・桜木町「天保堂苅部書店」、馬車道「誠文堂書店」

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馬車道・誠文堂書店。開いていると思ったのだけど。

9月某日

朝から博麗神社秋季例大祭用の原稿の取り組んでいたのだがつまらないことで引っ掛かってしまい、いっこうに進まず。時間切れになり、諦めて横浜に向かう。桜木町のにぎわい座のげシャーレで、浪曲の昼公演があるのだ。贔屓の東家一太郎さんと曲師・東屋美さんである。

早めに桜木町に着いたので、まずはいろいろ調査を。しばらく行かないうちに、野毛ちぇるるの古本ちかいちがなくなり、足道楽というフットケアの専門店になっていた。近くの天保堂苅部書店は無事である。この老舗がなくなったら神奈川の古本文化の一大事だ。時間があるので店内を丁寧に見て歩く。『聊斎志異』関連の本を探しているのだが、残念ながらぴったりの本は見当たらず。代わりに新潮45別冊の『コマネチ! ビートたけし全記録』を拾う。400円だったのが半額に値下げされていた。文庫は持っているが、もしかするとこっちの別冊版でしか入っていないページがあるかもしれないから、一応買うのである。

にぎわい座に入って地下二階へ。お客さんで八、九割は席が埋まっている。いつも火曜亭などでは見かけない方が多いので、たぶん神奈川の地元のお客さんなのではないか。まずは地元の名士・原三渓がらみで「一太郎の横浜案内」「横浜の恩人 原三渓物語 震災復興篇」と新作を二席。仲入りを挟んで「日蓮記 瀧ノ口法難」の長講一席で、これが照明を活かした結構なものだった。にぎわい座は桂歌丸が亡くなって三代目館長に浪曲に造詣の深い布目英一氏が就任したが、本日は自ら柝頭を打ったのだとか。浪曲公演、もっと増やしてください。また来ます。

出れば午後四時、先ほどの天保堂苅部書店の前にある三宝苑で看板商品のタンメンとギョーザを早めの夕食というか遅めの昼食というかで喰う。三宝苑のタンメンとギョーザは三宝苑のタンメンとギョーザと言うしかない、他に代替のきかないものなのである。

三宝苑にて。ここのギョーザは8個が基本。

そこから少し歩けば伊勢佐木通りで古本屋がたくさんあるのだが、我慢して帰る。原稿が心配だ。代わりに桜木町ではなくみなとみらい線の馬車道駅まで行って、歴史博物館脇の誠文堂書店に行くことにした。学術書から読み物までなんでもある、知の宝庫のような店だ。ところが、二階に上がってみると、扉が開かない。店前の棚にはよさげな小説がたくさん置いてあるのに、まさかの閉店なのだろうか。もしかすると店番の人が出かけているのかもしれないと思いしばらく待っていたら、中から男性が出てきて、もう閉めました、と言う。閉店時刻は午後七時のはずなのだが、古本屋にはありがちなことだから仕方ない。後日を期して帰ることにする。途中で白楽とか日吉で虫が疼いたが、おとなしく戻った。原稿だ、原稿。

未練がましく入れない店内を見上げるの図。

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