街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年5月・池之端古書ほうろう

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新生古書ほうろうと私。

千駄木にあった古書ほうろうが一旦閉店し、場所を替えて再開することが告知されていた。約四ヶ月の準備期間を経て、ついに5月29日に新店舗での営業が始まったのである。場所は地下鉄湯島駅から徒歩6分ほどの、不忍通りから一本入った場所だ。東京大学の池之端門の向かい側である。住所になんとなく見覚えがあったが、ギャラリーと古書のSTORE FRONTがあるのと同じマンションだった。ただしSTORE FRONTが不忍通り側から入るのに対し、古書ほうろうのほうは反対側に開いている。

ツイッターで情報を知り、初日の夕方にお店にやってきた。古本者たちで店内は賑わっている。店内のそこかしこに棚を点検している人がいるので、先客に声をかけないと通れないほどである。店は細長く、後で気づいたのだがL字形をしていた。縦棒の真ん中には背の低い棚が置かれて二分されており、右の壁側が帳場、左には棚がある。ざっくり分けてしまうと、手前に民俗関係などの人文書、中央は海外ものが強めの文学関係、奥が映画や芸能なども含めた美術・芸術書ということになるだろうか。店頭の均一棚もそうだが、CDも多めで音楽関係もおもしろそうである。中央棚は絶版ミステリーも多く、カバーなしの創元推理文庫などもある。

均一棚によいものが多かったのと、持っていない年度の『全国古本屋地図』があったのでそれを買うことにした。会計を済ませながら店主にこの場所は以前何だったのかを聞いてみたら、カフェやレストランとしての使用が長かったが、はるか前には本屋か古本屋としても使われていたことがあったらしいとのことだった。

立地がよくて大学の前だし、湯島や上野、上野広小路といった駅からも近いので、利用者にとっては嬉しい限りである。末永く繁盛してもらいたい、と念じながら外に出ようとしてとんでもないことに気が付いた。L字の横棒にあたる場所を完全に見落としていたのである。ここもものすごく魚影が濃い。ぱっと目に入ったのは鉄道関係と国内ミステリーで、いわゆる探偵小説が豊富な棚であった。結局追加の買い物はしなかったが、見ずに帰っていたら後悔するところだった。危なかった。

開店ご祝儀のつもりもあって自分にしては珍しく点数を買ったが、それでもたくさん手に取っただけのものがある。海賊王風に言うと、「探してみろ。この世の全てを置いてきた」という気分である。よかったらお店に行ってみてください。

店頭の均一棚も開店初日ゆえか出血大サービス感があった。

STORE FRONTは開いていなかった。

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