落語会レポート 「ラクジョepisode.9」で思わぬ拾いもの20160824

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「ラクジョepisode.9」ミュージックテイト西新宿店 20160824

8月は中旬に台湾旅行をしたため、その前は仕事を片付けるので手一杯になってしまい、ほとんど落語会に行けなかった。身体の落語成分が危険なほど減少しているので、ちょっと回復させたいと思う次第です。

24日は月例の「立川さんちの喫茶★ゼンザ」が昼間あったのでそちらに顔を出していた。夜がぽっかり空いてしまったので、予定を入れるべく「東京かわら版」で検索するも、これ、というような会が見つからない。時間が中途半端だったり、新宿からは少し遠かったりで二の足を踏んでしまうのである。熟慮の結果選んだのがこちらの会だ。聴き逃していた東京の女性落語家の穴を埋める作業を今年に入ってからしている。そういえば林家扇をまだ今年は聴いていなかったと思い当たったのだ。

こちらの会は初めてうかがった。もう9回目なのか。

この日の演目は以下の通り。敬称略。

トーク 日るね、扇、花ごめ

猫の皿 日るね

星野屋 扇

仲入り

五貫裁き 花ごめ

2016-08-24 21.19.23

イラストは扇画伯。

「堀の内と猫の皿、どっちをやろうかしら」と呟きながら始めた猫の皿は、三遊亭日るねらしいのんびりとしたムード。地方に買い付けに来た古道具屋の男が、茶屋で見かけた掘り出し物をなんとかして安く買ってやろうとする噺で、日るねは茶屋の婆さんが素っ頓狂な感じなのがおかしい。

林家扇の星野屋はネタ下ろし直後なのか、テイトでもらったチラシでも他の会でやるという予告が出ていた。世話になっている星野屋の旦那に心中を持ちかけられた女が、逡巡した後にある選択をするのだが、それには実は裏があって、というコンゲーム風の噺で、要は女が男に騙される内容なのでやりようによっては嫌味になる。そこを女性がどう演じるのか、ということに興味が向いた。聴いた感じではまだ口調も仕草も定まりきっておらず、ここからさらによくなるはず、という印象であった。扇の外見は好きなので、他のネタも聴いてみたい。

この日の思わぬ儲けものは柳家花ごめの「五貫裁き」で、とてもきちんとした高座だった。八百屋を出して堅気になろうとした男がその開店資金を集めようと近所を回る。ところが名代の吝嗇家である徳力屋に邪険にされ、面体に傷まで負わされる。大家にけしかけられ、恐れながらと訴えて出たところ、大岡越前守が粋な裁きをして、という政談である。きりっとした口調がよく合っていて、途中で出てくる同心が伝法な感じなのもいい。調べてみたら花ごめは今年の6月に「ねずみ」も聴いていたが、そのときよりも今回の「五貫裁き」のほうが気に入った。収穫であった。

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