BIRIBIRI寄席通信「談慶の意見だ」#12

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12990863_603114249835796_2158346622716635196_n8月19日(金)19時開演

立川談慶独演会「談慶の意見だ」#12

落語立川流にはお世話になっているBIRIBIRI寄席だが、特に談慶さんには初期のころから独演会でご出演いただき、大事な会として育てていただいてきた。「どこにもない落語会を実験的にやる場にしたい」とおっしゃっていただき、著書『談慶の意見だ』と同じタイトルもつけてくださったのである。

この日の演目は、以下の通り。ここから敬称は略す。

一、絵手紙漫談 談慶

一、幽女買い 談慶

一、蛙茶番 談慶

一、ゲストトーク 岩波理恵(演歌歌手)・談慶

仲入り

一、死神 談慶

こんな風にプロジェクターに映写して話すのです。

こんな風にプロジェクターに映写して話すのです。

絵手紙漫談は得意の絵と話術で世相を斬るコーナー。続く幽女買いは時事ネタを盛り込まなければならない噺なので、スムースに接続ができた。これは故・立川談志が発掘して十八番に磨き上げたネタで、死んだ男があの世でもこちらと同じく楽しく遊べると聞いて登楼するという内容だ。死生観が正反対になっているあの世の常識を観客に納得させるのと、「最近の物故者」を並べて今の笑いを取らなければならない難しさがある。談慶版は当然談志譲りだが、談志との決定的な違いは一点、師匠の噺には出てこなかった亡者が登場していることである。もちろん立川談志その人だ。まずは笑い一杯に一席。

続く蛙茶番は十代目桂文治が得意ネタにしていた、私のお気に入りである。素人芝居で芝居番を言いつかった建具屋の半公が、町内の娘衆にいいところを見せてやろうとふんどしに趣向をしていくのだが、湯屋の番台にそれを忘れてきてしまう。知らずに前をまくったから、さあ大変である。男のソレが出てくるのだから下がかった噺なのだが、談慶は芝居がかりのところをきちんと演じて綺麗にまとめた。ふんどしを忘れた後で出くわした棟梁との絡みなど、もう少しくさくやる手もあると思うが、比較的上品な蛙茶番だったと思う。

岩波理恵さんと談慶さん。体形が別の人種みたいです。

岩波理恵さんと談慶さん。体形が別の人種みたいです。

トークのコーナーは長野県下諏訪出身ということで同郷の岩波理恵と「第二の人生」について語り合う。談慶はワコールからの転職組、岩波は全日空キャビンアテンダント在職の経験があるのである。かなりの天然で、自分の搭乗する飛行機を間違えかけた、というようなドジ話で盛り上がり、ここで仲入り。

トリネタは怪談の季節ということで死神である。このネタは、演者によって結末の趣向が異なる。命のろうそくが消えればおまえの寿命はなくなる、と主人公が脅されてから暗転するまでにいろいろなパターンがあるのだ。ここではいちいち挙げないが、お気に入りの演者がいればそれだけバリエーションがあるといっていい。談慶のそれもオリジナルで、死神というネタに新解釈というか、別の視点を付け加えるものだった。このへんの着眼点がいかにも工夫の人らしい。

トリネタでは背後に談慶さんの絵も映します。

トリネタでは背後に談慶さんの絵も映します。

隔月開催の会だが、次回は12月16日(金)年末の予定である。師走らしい会になると思うので、どうぞご予定ください。

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