杉江松恋 一覧

BIRIBIRI寄席通信 「立川談四楼独演会 オールナイトで談四楼#16」20160904

終電で来て始発で帰る、おそらくは世界で唯一の「真の深夜寄席」であり、「オールナイト興行」の落語会だ。16回目を迎え、お客様もまずまずの入り。本来は8月の興行なのだが、お盆休みなどで人出が見込めないことを鑑み、9月初旬にずらしたわけである。夜になって雨もぱらついたが、足止めをするほどの降りにはならず一安心した。 この日の番組は以下の通り。 ...

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杉江の読書・『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』(高儀進訳/白水社)

杉江の読書・『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』(高儀進訳/白水社)

 イーヴリン・ウォーの短篇で最初に読んだのは「ミステリマガジン」に訳載されたTactical Exerciseではないかと思う。第二次世界大戦によって人生を狂わされた男の話で、戦前に持っていたすべてのものを失ったジョンは、次第に妻・エリザベスへの憎悪を募らせていく。夫と妻の犯罪を描いた作品は他にいくらでもあるが、この小説を唯一無二のものにしているのはその特殊...

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落語本・『桃月庵白酒と落語十三夜』が出ました

落語本・『桃月庵白酒と落語十三夜』が出ました

 本日(9月2日)あたりから全国書店で『桃月庵白酒と落語十三夜』(KADOKAWA)が販売開始になる。電子雑誌「文芸カドカワ」創刊号である2014年1月号から2015年1月号まで連載された「落語研究会ただいま女子部員募集中!」を母体にした本で、忙しい白酒さんに毎月角川まで来ていただき、杉江がお話を伺うという形式をとっていた。落語には季節のネタがあるから、最初...

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BIRIBIRI寄席通信 第三の男ならぬ第三のビールならぬ第三の落語家

BIRIBIRI寄席通信 第三の男ならぬ第三のビールならぬ第三の落語家

三遊亭はらしょう独演会「ドキュメンタリー落語の夜明け」20160830 ドキュメンタリー落語というのは、三遊亭はらしょうさんの造語で、自身の体験を落語形式の語りに尚したもののことだ。 最初に聴いたのは高校時代の噺で、はらしょうさんが通っていたのはきうちかずひろ『BE BOP ハイスクール』のような不良の溜り場だったという。修学旅行が偶然阪神淡路大...

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落語会レポート 新宿末廣亭余一会で嬉しい驚きあり

落語会レポート 新宿末廣亭余一会で嬉しい驚きあり

新宿末廣亭八月特別興行「立川流一門会」20160831 夏の終わりの日に末廣亭である。ここでの立川流余一会は何年ぶりだろうか。少なくとも立川談志没後は初めてのはずである。昼夜興行なのだが、夜はあいにく予約席が売り切れており、所用もあったために昼席だけ聴くことにした。 いつものとおり12時に行くと今日に限り13時開演で、少し時間をつぶしてから入場す...

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杉江の読書・ディーノ・ブッツァーティ『古森の秘密』(長野徹訳/東宣出版)

杉江の読書・ディーノ・ブッツァーティ『古森の秘密』(長野徹訳/東宣出版)

イタリア史において1925年は、ベニート・ムッソリニーニが国家統領に就任した年として記憶される。ディーノ・ブッツァーティはそのイタリアで生まれて1927年に作家デビュー、1935年に初期の代表作『古森の秘密』(長野徹訳/東宣出版)を発表した。物語はムッソリーニの独裁が完成した1925年の春に始まる。退役軍人セバスティアーノ・プローコロ大佐が、叔父アントニーオ...

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杉江の読書・ペーター・シュタム『誰もいないホテルで』(松永美穂訳/新潮クレストブックス)

杉江の読書・ペーター・シュタム『誰もいないホテルで』(松永美穂訳/新潮クレストブックス)

 スイスの作家ペーター・シュタムの短篇集『誰もいないホテルで』(松永美穂訳/新潮クレストブックス)には10篇が収められている。表題作は、仕事のためにホテルに籠ろうとした〈ぼく〉の奇妙な体験を描くものだ。さんざん山道を彷徨ったあげくにたどり着いたホテルで彼を出迎えたのは、客を待たせたまま食べかけのラビオリをむしゃむしゃと平らげる女性・アナだった。部屋のシャワー...

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落語会レポート 新宿末廣亭8月下席で自由闊達な79歳にうっとり。

落語会レポート 新宿末廣亭8月下席で自由闊達な79歳にうっとり。

新宿末廣亭八月下席 20160826 8月に入ってから1回も寄席に行けてなかったので、仕事の切れ目を見つけて強引に昼席に出かけた。前座の途中から間に合って、そのまま4時間半を桟敷席で楽しんだ。時間あたりの単価に直すと安いものだと思う。予告の出ていた五明楼玉の輔は春風亭勢朝、桃月庵白酒は隅田川馬石とそれぞれ代演が出た。白酒さんは新刊が出たこともあってぜひ...

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落語会レポート「第67回人形町らくだ亭」でチャーミングな幽霊に心を射抜かれる

落語会レポート「第67回人形町らくだ亭」でチャーミングな幽霊に心を射抜かれる

「第67回人形町らくだ亭」日本橋公会堂20160825 予告が出たときから絶対にこれは行かなければと思っていた会である。小学館のサライ編集部が後援する形で続けられている会であり、レギュラー制をとって長年続けられている。八代目桂文楽の弟子・柳家小満ん、五代目柳家小さんの弟子・柳家さん喬、十代目金原亭馬生の弟子・五街道雲助、五代目春風亭柳朝の弟子・春風亭一...

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落語会レポート 「ラクジョepisode.9」で思わぬ拾いもの20160824

落語会レポート 「ラクジョepisode.9」で思わぬ拾いもの20160824

「ラクジョepisode.9」ミュージックテイト西新宿店 20160824 8月は中旬に台湾旅行をしたため、その前は仕事を片付けるので手一杯になってしまい、ほとんど落語会に行けなかった。身体の落語成分が危険なほど減少しているので、ちょっと回復させたいと思う次第です。 24日は月例の「立川さんちの喫茶★ゼンザ」が昼間あったのでそちらに顔を出していた...

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