某月某日
先々週の水曜日は小田原まで遠征の一日であった。7月12日に初公演を行う「原作・夢枕獏 浪曲陰陽師 琵琶玄象」のため、会場の三の丸ホールと打ち合わせだったのである。茅ヶ崎から演者の天中軒すみれさんも来られ、細かい演出面まで話し合うことができた。私も初めて聞くプランがあり、え、そういうことをやるのか、と驚く。
すみれさんを待つ間、ちょっと余裕があったので高野書店に寄る。ここは神奈川西部の郷土資料本を中心とした古書店だが、かつて熱海まで観光客を運んでいた人車鉄道の資料を熱心に集めている。日本でいちばん人車鉄道の本が多い古本屋ではないだろうか。この日は民俗学関連が買いたい気分だったので秋道智彌『アユと日本人』(丸善ライブラリー)を求めた。
打ち合わせのほか、三の丸ホールにチラシとチケットを預かっていただくという用もあった。小田原市内ではこの他、平井書店さんと居酒屋の洞さんにもチケットを預かっていただいている。平井書店は文化の発信拠点として地元の方からの信頼厚い本屋さんだ。洞は小田原出身の落語家・柳家三三さんと縁の深いお店で、やはり芸人を応援してくださっている。ありがたいことである。
終わって駅前の喫茶店ですみれさんと作戦会議をし、解散。時間があれば寄りたいところもあったが、日が暮れたのでとっとと帰宅した。