小説の問題 一覧

小説の問題 「グーグーだってペコペコである」津村記久子と森見登美彦と小林信彦

「問題小説」連載の原稿を発掘する「小説の問題」、今回は2008年10月号だ。  雑誌の切り抜きをぱらぱらめくってこのタイトルを発見したときは、思わず笑ってしまった。なんだこれ。元ネタは有名な漫画のあれだろう。フィクションを三冊紹介するときに、統一テーマとかではなく部分に注目してみようと思いついた回、のはずである。  この三冊をとりあげた、という時...

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小説の問題 「いい時間は努力しないと続かない」山本幸久と歌野晶午

小説の問題 「いい時間は努力しないと続かない」山本幸久と歌野晶午

「小説の問題」、今回は「問題小説」2007年6月号から。山本幸久と歌野晶午を取り上げている。このときは2冊の時代。  複数冊を取り上げてそのつながりを匂わせながら紹介していく書評なのだが、時折、パッと見ただけではその理由がわからないものがあった。今回もそうで、いや、その1つはちゃんとタイトルでも書いてあるのだが、実は別の理由があったのだった。それは読者...

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小説の問題「風に舞った花びらが水面をうがつように」中島たい子と益田ミリと佐藤正午

小説の問題「風に舞った花びらが水面をうがつように」中島たい子と益田ミリと佐藤正午

「問題小説」(徳間書店)連載のBOOKSTAGEページから旧稿を発掘する「小説の問題」、今回は2008年3月号だ。  連載でマンガを扱うことは珍しかったのだが、この回では益田ミリの『結婚しなくていいですか。』を扱っている。4コマを連ねることによって長篇の話になるという作品で、人物の感情描写に関心を持って、この技巧を文章で説明できないか、と考えたのが出発...

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小説の問題「口で言うほど易しくない」今野敏と笹生陽子

小説の問題「口で言うほど易しくない」今野敏と笹生陽子

今回の「小説の問題」は「問題小説」2005年8月号からの再録である。 前回までお目にかけていた原稿は3作紹介パターンの時代だったが、連載中期のこのころは新作1+文庫化作品1の計2冊を紹介する形だった。10年以上前なので、今から見ると下手すぎて正視できないような回もある。その中から、これならなんとか、というものを選んできた。今野敏はまだ『隠蔽捜査』を書く...

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小説の問題「そこにいてもいいの、とあなたは聞く」辻村深月と長嶋有と伊集院静

小説の問題「そこにいてもいいの、とあなたは聞く」辻村深月と長嶋有と伊集院静

「問題小説」の書評欄はBOOKSTAGEという名称だった。 最初は1ページで新刊1冊の書評、そのあと新刊+文庫か新書の旧刊を1冊ずつで複数ページという形になった。やがて新刊の数が2冊になって、最終的には計3冊で4ページという形式に落ち着いた。 複数冊を同時に書評するのは、個人的にはとても難しく感じる。共通テーマを見いだそうとするあまりに、書評に本...

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小説の問題「幸せな読書のために」平松洋子と荻原魚雷とダニエル・ウッドレル

小説の問題「幸せな読書のために」平松洋子と荻原魚雷とダニエル・ウッドレル

 昨日に引き続き「問題小説」の旧稿をご紹介したい。2011年12月号、この号で最終回である。  タイトルは今とっさにつけた仮のものだ。雑誌の切り抜きを探したのだが、この号だけ見当たらなかったからである。原稿を読み直し、そういうことを思いながら書いたのだろうと推測してつけてみた。たぶん、だいたい合ってる。 =====================...

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小説の問題「ゆっくり歩こう ゆっくり読もう」山村修と円城塔と木内昇

小説の問題「ゆっくり歩こう ゆっくり読もう」山村修と円城塔と木内昇

 以前、徳間書店より「問題小説」という月刊の小説誌が刊行されていました。  長年にわたって杉江が、時評の本拠地としていた雑誌です。最初に連載のお話をいただいたときは1ページでした。それがだんだんと増えていき、最終的には4ページになりました。当時の小説誌を見渡しても、これだけの文字量を一人の書評家に使わせてくれていたところは珍しかったと記憶しています。書...

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