杉江松恋不善閑居 浪・曲・探in梶原いろは亭と神保町「永森書店」そして大量の同人誌

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×4。イレギュラー原稿×3(エッセイ、評論、解説)、ProjectTY書き下ろし。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

原稿は書けず、昼頃になって外出。神保町に行き、集合型書店のPASSAGE by ALL REVIEWSに追加で本を預ける。一棚を借りて読み終えた本などを出しているのである。現時点では営業開始が15時なのだが、神保町でそれは遅い気がする。せっかくすずらん通りといういい場所にあるのだから、土曜日だけでも正午から開けるべきではないのだろうか。搬入も基本は営業時間中しかできないが、金曜日の午前中に東京古書会館に行ったあとで寄ることができるとありがたいのだが。山中峯太郎版ホームズと大藪春彦との対談が載っている大江健三郎の対談本などを置いていく。

店舗を出て、すずらん通りの外れ近くにある永森書店へ。来るべきだと思っていたのに後回しにしていた古本屋だ。戦前の絵葉書や地図などが中心で戦争関係の資料も充実している。今やっている書き下ろしの関連で何かないかと思って、しばらく棚を見る。

そこから西巣鴨まで都営三田線で行って、都電荒川線に乗り換える。けっこう込んでいた。梶原で下りる。先年まで駅構内にある珍しい古本屋として梶原書店が営業していた駅だ。閉めてしまう前に滑り込みで行くことができてよかった。

梶原駅から宇都宮線の方へ歩いていく。梶原踏切付近は、写真撮影の場所として有名らしく、鉄道ファンらしき若者が線路際に群れていた。踏切の手前で左に曲がった場所に、梶原いろは亭がある。足を運んだのは初めてだ。ずっと配信のみでやっていた富士実子「浪・曲・探」が初めて有観客開催されるというので来てみた。今回の客演は妹弟子の東家千春である。

秀吉の母 東家千春・水乃金魚

山の名刀 富士実子・水乃金魚

二席にアフタートークを入れる構成であった。会場は申し分なく、聴きやすい。ただ、宇都宮線尾久駅からも京浜東北線上中里駅からも均等に遠く、都電荒川線梶原駅は乗り換えの便が悪いので、そこが会場の課題だと思う。夜の会などでは終演後にどこかに流れたい客もいると思うが、梶原ではなかなか難しいのである。終演を早めに設定するなどの工夫が必要ではないか。

京浜東北線から総武線に乗り換えてお茶の水駅へ。東京古書会館で開かれている書窓展を覗いたら、北原尚彦さんとばったり会った。しばらくぶりである。そこに来る前に西部古書会館の大均一祭に寄られていたとか。大均一祭は初日が二百円、二日目が百円、最終日が五十円になるという在庫一世処分の催しだ。初日の開始直後に行かないと、めぼしいものは全部売れてしまうので今回はいいかと思っていたが、北原さんに会ったことでなんとなく気が乗り、お茶の水駅に戻って西を目指す。

午後五時二十分ごろに高円寺駅に到着、西部古書会館を目指す。いつもは荷物を入口で預けるように言われるのだが、この日はそれがなかった。やはり商品が安いからだろうか。何もないが、ないということを確認しに来たのだから、と惰性で棚を眺めていたら、いつもいちばん最後にする右側の通路でえらいことになってしまった。B5版の同人誌が山と出されている。それも東方Project二次創作ものが中心だ。ひーっ、買っているサークルの持っていない本がある。そこからが大変で薄い本を抜いては確認し、抜いては確認し。最終的には16冊を厳選して持ち帰ることになってしまった。これでも3200円である。これでもだいぶ選って落としたので、まだまだ買えた。というか、五十円均一の日にもう一度来るべきなのではないだろうか。恐ろしい数の同人誌を持ち帰ることになりそうだが。

思いがけず大量の買い物をしてしまい、帰路に就く。

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