電撃座通信 三遊亭小笑「小姓じゃなくて大将だ」20170213

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 昨年末に発売開始された『成金本』で三遊亭小笑さんは特異な体験について書いている。〈成金〉とは落語芸術協会の二ツ目十一人によるユニットであり、毎週金曜日にテイトミュージック西新宿店で行われる落語会を中心として活動を続けてきた。昨年末には銀座博品館劇場で一日三回興行を開催し、そのどれもを満席にして勢いを見せつけたのである。

小笑さんは鹿児島出身である。小さいころから剣道をやっていた小笑さんは、小学六年生の夏合宿で別の学校から来た同い年の子と親しくなる。中学に入って彼と再会、たちまち意気投合して行動を共にするようになった。だが、その彼には変わったところがあった。小笑さんを独占し、他の人間と口をきくことを事実上禁止するなど、囲い込みをしてきたのである。その彼こそが、後に小笑さんに先駆けて落語界入りし、瀧川鯉八の名で活躍することになる人物だった。

『成金本』の文章はとてもおもしろいので読んでもらいたい。以前からそのほんわかとした噺に興味を持っていた私は、小笑さんに落語会開催を依頼し、快諾をいただいた。題名を「小姓じゃなくて大将だ」としたのは、一本独鈷でぜひ会を定期開催していただきたいという願いがあったからである。

この日の番組は以下の通り。

牛ほめ 小笑

悋気の独楽 小笑

仲入り

芝浜 小笑

なんといっても目玉は芝浜で「ぜったい泣かせるような噺にはならない」と断言したとおり、軽くてふうわりとした一席だった。成金などで聴くのとは違ったテンポでこの日の噺は語られており、独演会らしい雰囲気で終始進んでいった。この日のお客さんは得をしたと思う。次回は未定だが、願わくば続けて開催をお願いしたい落語家さんである。続報に期待ください。

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